演劇

「身を乗り出して」見た舞台。これはもう「二枚看板の芝居」と言っていい――『雪まろげ』観劇記

「私は笑えない」。 主人公の夢子が、新聞記者で「詩人」の大悟が持っているメモにあった失恋の詩を聞いて笑う他の芸者衆の前でこぼす科白です。私はゲームでもそうですが、舞台でもその「物語」を追いかけるとき、登場人物の気持ちに没入していくタイプなの…

「女性や社会的弱者への支援」はいまこそ必要、という声が聞こえてくるような――青年劇場「真珠の首飾り」観劇記

舞台を見たのは9月の19日。もう一ヶ月半も経ってしまっていて、遅きに失した感もあるのですが……今回は、私の立ち位置の話も交えて、語ってみたいと思います。

すべてをテレビジョンのフレームの中に押し込みたい――青年劇場企画「相貌」観劇記

そろそろ公演も終わったと思うので、公開します(私は12/16夜の部を観賞)。 青年劇場・スタジオ結企画第5回公演「相貌(そうぼう)」を見てきました。今回は、ちょっと残念な感想です。 80席ぐらいしかない小さなスペース(基本的には劇団の稽古場を小劇場…

観る者に「気づき」と「勇気」を与える二時間――青年劇場『羽衣House』観賞記

施設の管理責任者の「覚悟」が素晴らしい。 セリフの中にさりげなく、しかし重く社会問題が語られるのが素晴らしい。 劇の進行にシンクロしていくように設計された舞台と装飾とが素晴らしい。 立場の違う人たちが、ひとつの目的に向かって力を合わせていくそ…

大島憲法の話がメインじゃなかったんですかぁー! でも、もっと大きなテーマがそこに ―― 青年劇場「みすてられた島」鑑賞記

あの人たちを、あんなに一生懸命で優しい人たちを、一人たりとも見捨ててなるものか!(takayan、こころの叫び) 最初にお断りしておきます。タイトルはある意味釣りですが、テレビではそう報道されているようなので、勘違いされないように、という意味もあ…

おすすめ:いよいよ再演と地方巡演の青年劇場「臨界幻想2011」

「なぜこれだけ見えていたことが防げなかったんだ~!」 終演後、あまりの悔しさに思わずこう叫んでしまった演目です。 所属している地区労(東京23区内なので区労協ですが)で演劇鑑賞会があって、青年劇場さんの「社会派」演目は毎回真剣に(※楽しく、では…